こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

「プレミアムファイナンス(Premium Financing)」って?

皆さんは、生保の「プレミアムファイナンス(”Premium Financing”)」って聞いたことありますか?保険の解約返戻金を担保に融資を受け、借入金を保険料の支払いに充てることによって、本来支払うべきである保険料よりも少ない自己負担で保険を購入するというものです。「保険の解約返戻金を担保に融資を受ける」という点においては、日本の生保でも提供している「契約者貸付制度」と変わりなく、香港の生保でも同じことができますが、プレミアムファイナンスの場合は借入金の使途が保険料の支払いに限られる(=保険料融資)というのが大きな特徴です。

ケーススタディー

それではケーススタディーを一つ。保険を購入しようとして保険会社に見積もりを頼んだら、総払込保険料が744,000米ドル&契約締結時点の保証解約返戻金が622,500米ドルであったとしましょう。契約時点の保証解約返戻金が重要なのは、(ほとんどの場合)この金額が借り入れの算出基準になるからです。で、契約時の保証解約返戻金の最大80%まで貸し付けてくれる銀行が見つかったとして、借入額は498,000米ドル。この金額が保険料の支払いに充てられるわけですから、契約者の自己負担は246,000米ドル(+金利)で済むということになるのです。

項目金額
総払込保険料744,000米ドル
契約時保証解約返戻金622,500米ドル
最大借入額498,000米ドル(622,500米ドル x 仮定80%)
契約者自己負担保険料246,000米ドル(744,000米ドル-498,000米ドル)
金利(例、利率5%/年×10年)249,000米ドル(498,000米ドル x 5% x 10 years)
上記はあくまで香港で流通する一般的な保険商品やプレミアムファイナンスのイメージを伝えるための架空のケースであり、特定商品の販売を意図したものではありません。また、実際のケースは上記内容と大きく異なることがあります。

米国金利の低下を視野に入れ…

保険商品の多くは中長期で安定的に資産を構築することを目的としているため、米国の金利が歴史的に高いような現状では保険の運用利回りが借入金利に追いつかず、借り入れのメリットが発生するまでに長い年数が必要になるため、残念ながら現在はプレミアムファイナンスに適した環境であるとは言えません。ローン提供機関は保険商品が選定された後に保険会社が紹介してくれるのですが、最近保険会社に依頼したら「紹介できない」と断られました。(商品によっては可能なのかも知れませんが)

とは言いながらも、米国景気の先行き不透明感の強まりと共に金利は既に低下傾向にあり、米国高官からも利下げ発言が相次いでいるため、プレミアムファイナンスに適した環境が訪れるのはそう遠くないのではないでしょうか。実際に当社でもお問い合わせが徐々に増えてきました。

[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 23日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演した。インフレはFRBの目標である2%に向かいつつあるため、政策を調整する「時期が来た」とし、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆した。同時に、雇用市場の一段の冷え込みは歓迎されないという見解を示した。

ロイター(2024年8月24日) https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/NM2CUSCIGRMTLPDJTUXH36RTRI-2024-08-23/

誰にでも活用をお勧めできる…わけではない

プレミアムファイナンスを利用するにあたって、例えば「香港に銀行口座を持っていなければならない」「商品によっては利用が認められない」「金利変動リスクが伴う」といった注意事項がたくさんあり、通常は借入希望者には結構な額の財産証明書の提出が求められるため、お勧めできる対象は富裕層に限られるのですが、リスクを取ってでも保険のリターンを向上させたいという希望があればこういった手法もご案内できますので、ご関心をお寄せでしたらお気兼ねなくご相談ください。

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