こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。
以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。
「名義人が親」&「被保険者が子供」による契約
ある日、当社に悲しいお知らせが…。5年ほど前にお子様用の学資保険を契約されたTさんの奥様と名乗る女性から当社に連絡があり「主人が亡くなりました」と。Tさんは未だ四十代半ば。聞くところによれば、前触れも自覚症状もなく病が発覚し、それから半年も経たずに他界。ご本人はさぞかし無念だったでしょうし、残されたご家族の悲しみは想像を絶するものかと思います。
ご遺族の負担が少しでも軽くなるよう、当社でも最大限サポートしていくわけですが、学資保険のような「名義人が親」&「被保険者が子供」という組み合わせの場合、保険料の支払いや契約内資産の取り崩しといった契約の管理をしたり、返戻金の受け取るのは親である一方、名義人である親が死亡しても、被保険者である子供さえ存命である限りは契約が継続するので、実はその後の手続きが煩雑です。
名義人が死亡しても被保険者が存命であれば契約は続行
当然、名義人が不在のまま契約を続行することはできないため、Tさんのケースのように、子供(被保険者)が未成年であれば、配偶者といった他の成人したご遺族(法定相続人)を新名義人にするわけですが、これがそう簡単ではありません。新たに名義人となるには『遺産管理人(Administrator)』という『人格代表者(Personal Representative)』として、香港の裁判所に申し立てを行って(現地の弁護士に依頼)、『Grant』といわれる一種の裁判所の命令を貰う等といった煩雑且つ時間もお金も掛かる手続きが必要であり、名義人が死亡時に日本居住であれば、相続財産の準拠法として日本法が適用されるために日本の弁護士の助けが必要になったりと、とにかく大変なのです(*1)
(*1) あくまで一般的なケースであり、実際には異なる場合もあります。必ず法律の専門家にご相談ください。
「第2次名義人」を設定するという対処法
ここまで聞いて「子供を被保険者にするのはリスクが高すぎる」と思ったかも知れません。しかし、実はこういった事態に陥ることを回避する方法があります。一部の保険会社や商品では「第2次名義人(Contingent Policy Owner)」を設定することができ、設定しておけば(第1次)名義人が死亡したとしても、裁判所に申し立てをすることも無く、所定の書類等を保険会社に提出することによって第2次名義人が新名義人になることができるのです(*2)
(*2) 保険会社や商品によって条件や手続き方法が異なります。
あいにく、Tさんの契約では第2次名義人は指定されていませんでした。勿論、当社で精一杯サポートをすることはお約束しますが、ただでさえ故人を偲んで悲しみに暮れている状況にある中で、保険関連の手続きを進めるには相当な心理的且つ身体的負荷が掛かるでしょう。第2次名義人が設定されていれば「手続きが楽になる」とは言いませんが、(設定されていない場合必須となる)香港や日本で弁護士も巻き込むことに比べれば遥かに負担は軽くなりますので、名義人と被保険者とが異なるようでしたら、第2次名義人の設定を積極的に検討されることをお勧めします。