こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

日本では不要論さえある「学資保険」

子育て世代にとって大きな支出である教育費。それを補うための商品として「学資保険」があるわけですが、一部では「不要」との声があるようです。理由の一つは高校授業料の無償化が決定したこと。2025年度から世帯年収910万円の所得制限を撤廃して、公立高校は完全無償化、そして私立高校は26年度から支援額が年間39万6000円から45万7000円に引き上げられるとともに所得制限が撤廃になる予定で、多くの家庭にとって教育費負担が大きく軽減されることになります。

そして他の理由として挙げられるのは、(特に円建てであれば)予定利率が低いこと。日銀がなかなか政策金利の引き上げに踏み切れないことは、契約者から預かる保険料の多くを低リスク資産である債券で運用する保険会社が予定利率を上げることができないことに直結し、そのため学資保険は貯めるのには合理的ではないお金の置き場所と見られてしまい、学資保険離れが起きてしまっているのです。

とは言え、子供にはお金が掛かる…

とは言え、やっぱり子供にはお金が掛かります。例えば日本国内でも大学にかかる費用(4年間)は、私立文系で約400万円、理系で500万円以上と言われていますし、この円安の状況で海外留学なんて言ったらさらに大変。滞在国や公立・私立によってコストは大きく異なりますが、例えばアメリカの私立大学であれば学費だけで年間350~500万円掛かると言われていて、他に生活費や航空券、保険、その他の実費を考えると、最低でも1年目には500万円くらいは必要でしょうか。勿論、マレーシアを筆頭に近年では留学先としてのアジア諸国の人気が上昇していて欧米への留学より格段に費用が抑えられますが、それでも数十万円程度というわけにはいきません。実際に筆者の日本居住の友人も「春休みに子供を留学させようと思っていたのに、航空券の価格が高騰しているだけじゃなく、海外での買い物や生活費、学費も高くなってしまったため、結局諦めた」と言っていました。

ドル建て「学資保険」の人気が急騰

香港の貯蓄型生命保険の中でも、契約者を親、被保険者を子供とし、大学の入学金や授業料などの教育費を準備する「学資保険」は、日本よりも運用利回りが高く、確実に「貯まる」ということで元々、将来的に子供を日本国外に留学に出すことを考えている若い駐在員夫婦の間で人気が高かったのですが、昨今の状況を受けて検討する人が増えています。

学資保険の基本的な商品設計は老後資金を準備する保険である「個人年金保険」と同じで、契約時に定めた年齢までを保険料払込期間として保険料を支払い、手数料引き後の保険料が手堅い手法で運用され、資産がゆっくりと安定的に増価していきます、しかも一定期間が経過すれば利回りが保証されたり、ボーナスが付与されるなんて言う特典も。通常は、もし契約者である親が死亡した場合、以後の保険料の払い込みが免除される特約がつき、保険料を支払わなくても、払ったこととみなされて運用が続いていき、また、万が一、被保険者である子供が死亡した場合、払込保険料分(+運用益)を「死亡保険金」として受け取れます。

数世代に渡った資産継承にも

更に、「個人年金保険」と同じように、子供が一定の年齢に達した後は解約返戻金を年金として定期的に受け取ることができるオプションが付帯しているだけでなく、子供が日本非居住者であれば契約名義人として親から引き継いだり、被保険者を自身の子供(親から見て”孫”)に変更することもできる(*)ので資産継承に利用することができ、日本の商品に対して圧倒的な優位性があると言えるのではないでしょうか。

なお、当然のことながら「学資保険」は長期的なライフプランに密接した商品性が売りとなっているため、住宅購入の頭金、結婚式、車の購入などの費用の準備に向いているとは言えません。家族構成や将来の計画などを総合的に考慮し、自分にふさわしい貯蓄型保険商品を選択するようにしましょう。

(*) 香港で流通する全ての学資保険型商品に記事内で紹介される機能や特典が付帯しているというわけではありません。

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