こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

パンデミックによって人々の生活様式やビジネスのあり方が大きく様変わりしましたが、香港の保険会社も例外ではありません。多くの保険会社にてビジネスモデルが旧来型の「対面型募集」から「非対面募集」に切り替わり、香港へ渡航せずにご契約をいただくケースが主流になりつつあります。

日本の保険業界の黒歴史。1997~2001年に7社が破綻…

香港に渡航しないで契約することのメリットは何と言っても時間とコストが節約できるということ。東南アジアの近隣諸国からでさえ、香港への渡航には少なくとも飛行機で数時間は掛かるわけですから、それを省くことができれば大きな節約になるわけです。では大きなデメリットは何かというと、(人それぞれでしょうが)保険会社を直接その目で見ることができないということかも知れません。大切なお金を預ける先になるわけですから、相手(保険会社)の信用力は最重要事項の一つ。ご契約前の方だけでなく、ご契約済みのお客様からでさえ時折「保険会社は大丈夫ですか?」「もし保険会社が倒産したら、私の契約はどうなりますか?」といったご質問をいただくことがあります。このことは現在の香港を取り巻く環境もさることながら、日本では1997~2001年に7社が破綻し、別の保険会社に契約が引き継がれたものの、予定利率が低下したり、引き継がれた後でも早期解約控除により解約返戻金が削減されてしまった、という黒い歴史があるため、特に日本人には、保険会社の倒産を心配する傾向があるのかも知れません。

香港の保険会社が倒産する…?

それに対して香港では、近代以降に保険会社が倒産したことはありません。過去の例からすれば、他余力のある保険会社が現れ、買収などによって契約が引き継がれることになるでしょうし、お客様のご資産と保険会社の資産とは分別管理されており、弊社が提携する保険会社では運用は米国の関連会社が担っておりますので、保険会社や保険会社の株主/親会社の経営状況にご契約商品の運営が影響を受けることはないのです。

保険会社の経営状況を確認する方法はありますか?

保険会社によって様々ですが、例えばHP上に情報が開示されていたり、或いは格付けが付与されている会社であれば、格付け会社が発行しているレポートは十分参考になるのではないでしょうか。売上や総利益の他に、格付け、ソルベンシーマージン比率や格付け会社による見通し等に注目するのがいいですね。

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以下の内容は、当社の取引先である保険会社の経営状況について、格付け会社フィッチの発表(2023年3月”Rating Action Commentary”)を参考に弊社(Wells Insurance Hong KongCo., Ltd.)が翻訳し、纏めたものです(抜粋)

格付け会社フィッチは、〇〇〇の保険会社としての財務力(IFS)格付けを「A-」、見通しを 「安定的」と、昨年4月の評価内容から据え置きました。格付けは「強い」資本基盤と財務状況、「穏当な」企業特性、及び低い投資リスク、そして他の多くの香港の保険会社と同様に、資産と負債の間におけるデュレーションのミスマッチを考慮した上で、金利の変動への感度度を反映したものとなっています。

主な格付け決定要因

「穏当な」企業特性:他の香港の保険会社と比較して、「穏当な」事業特性と「穏当ないし良好」なコーポレート・ガバナンスにより、同社の企業特性を「穏当」と評価しています。同社は香港の生命保険業界において十分な事業基盤を有しており、2022年9月時点では、個人事業部門と団体事業部門の合計で保有契約年換算保険料ベースで1.7%の市場シェアを獲得しています。また、マカオでは、バンカシュアランスやブローカーチャネルを通じて、徐々にプレゼンスを拡大しています。 

〇〇〇が有するリスク資産は、2021年9月末時点でポートフォリオ全体の49%と、2020年末から変化していません。同社の投資戦略に基づいたリスク資産比率の安定は、フィッチの定める同水準の格付けの財務比率ガイドラインよりも良好であり、この水準は維持されると予想しています。なお、同社のポートフォリオは、主に米国の投資適格債券で構成されています。

以下、続く

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香港にて保険会社が倒産することは考えにくく、貯蓄型商品における運用についても保険会社の経営状況に影響を受けることはありませんが、もちろん物事に「絶対」はありません。不足の事態に陥った際に、焦らず、しっかりと適正な情報を収集し、落ち着いて行動することが大切になりますね。

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