こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。
以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。
5月17日の日経新聞(Nikkei.com)に長谷川のインタビュー記事が掲載されました。保険ではなくファンドによる運用に関する内容となっておりますが、どうぞご高覧ください。
―「香港の代替投資 日本より多彩」富裕層向け運用会社
【NQN香港=福井環】アジアの金融センターである香港は変化を続けている。10年以上香港の金融業界に身を置く人たちに今の香港はどう見えているのか。
米金融引き締めの長期化懸念や地政学リスクの不透明感など、グローバル投資家は厳しい局面を迎えている。そんななかアジアからマネーが集まる香港で、富裕層向けに資産運用ビジネスを手掛ける日本人がいる。香港を拠点に14年間、ウエルスマネジメント業に携わってきたウェルズ・グローバル・アセットマネジメントの長谷川建一・最高経営責任者(CEO)に、香港の運用 環境などについて聞いた。
―香港でファンドを運用している利点は何ですか。
「2010年から香港でウエルスマネジメント業務に携わっている。当時勤務していた三菱UFJ銀行で、アジア事業の立ち上げに来たのが始まりだ。その後、香港で独立し、富裕層向けの資産運用・資産 防衛に携わっている。今の会社は2021年に立ち上げた。香港証券先物委員会(SFC)よりライセンスを取得し、自社でポートフォリオマネジャーを抱え、ファンドオブファンドなどの形で顧客に投資機会を提供している。香港では日本に比べて『投資のユニバース』が広く、世界トップレベルの高いパフォーマンスを誇るヘッジファンドにアクセスしやすい。また、個人投資家が『プロ投資家』宣言して、幅広い投資機会にアクセスできる利点がある」
―具体的な投資先について教えてください。
「債券や株式で運用するファンドも組み入れているが、オルタナティブ投資に力を入れている。例えば貿易ファイナンスや生命保険を担保にした貸出を投資対象としたものや、中小企業への融資、不動産向け融資などで特徴ある投資機会を追求している。一般的にオルタナファンドの利回りは10〜20%と高い。欧米では、年金、大学や財団の運用は債券や株式のウエイトを減らしてオルタナティブ投資に急速にシフトしている。ただ流動性が低いため、数年程度の時間軸で投資する必要がある」
―足元のマーケット環境のなかでオルタナ投資にはどのようなメリットがありますか。
「リーマン・ショック後、株や債券といった伝統的資産での運用はより難しくなってきている。過去10年で見ると、先進国では株安と債券安が同時に起こった時期もあり、伝統的な資産だけのポートフォリオでの運用には警戒感が強まっている。手数料の低い『パッシブファンド』ばかりもてはやされる傾向があるが、伝統的な資産とは異なった独自の値動きをするオルタナ資産は、分散投資先としても注目が集まってきている」
―オルタナ投資の具体的な内容を教えてください。
「例えば、貿易金融を対象としたトレードファイナンスは、貿易相手に支払う売掛金や運転資金をファンドが提供し、数カ月といった比較的短い期間で資金を回収してリターンを投資家に還元する。個人の生命保険を対象として、資金を提供するライフセトルメントは、生命保険を契約者から買い取り、解約返戻金相当額を支払う代わりに、死亡時には保険金を受け取れ、投資家に還元する仕組みだ。いずれも景気や金利環境の影響を受けにくく、独自のリターンを生む。こうしたユニークな投資 機会は、欧米では広がりつつあるが日本やアジアではまだほとんど知られていない。それらをアジアの投資家にも知ってもらいたい」