こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

「名義人が親」&「被保険者が子供」による契約

香港の保険商品でも日本の商品と同じように、名義人と被保険者とが別の人による組み合わせで契約することができ、その典型となるのが所謂学資保険のような「名義人が親」&「被保険者が子供」という組み合わせです。この場合、保険料の支払いや契約内資産の取り崩しといった契約の管理をしたり、返戻金の受け取るのは親である一方、名義人である親が死亡しても、被保険者である子供さえ存命である限りは契約が継続し、支払者である親の死亡時点で未払いの保険料があるようであれば、残りの保険料の支払いは免除されることになります。

また、子供が成人した後は、契約を親から引き継いで子供自ら名義人となることができるため(*1)、保険加入の主な理由が「子供の教育資金を貯める」という場合は、当然のように「名義人が親」で「被保険者が子供」という組み合わせが選ばれるわけですが、このケースにおける最大の注意点は「親が死亡した場合、その後の手続きが煩雑」ということです。

(*1) 保険会社や商品によって条件や手続き方法が異なります。

名義人が死亡しても被保険者が存命であれば契約は続行

被保険者が死亡すれば死亡保険金が払い出されて契約は終了になるわけですが、このケースでは被保険者は存命であるため契約は続行します。ただ、名義人が不在のまま契約を続行することはできないため、その時点で子供が未成年であれば、配偶者といった他の成人したご遺族(法定相続人)を新名義人にするわけですが、これがそう簡単ではありません。新たに名義人となるには『遺産管理人(Administrator)』という『人格代表者(Personal Representative)』として、香港の裁判所に申し立てを行って(現地の弁護士に依頼)、『Grant』といわれる一種の裁判所の命令を貰う等といった煩雑且つ時間もお金も掛かる手続きが必要であり、名義人が死亡時に日本居住であれば、相続財産の準拠法として日本法が適用されるために日本の弁護士の助けが必要になったりと、とにかく大変なのです(*2)

(*2) あくまで一般的なケースであり、実際には異なる場合もあります。必ず法律の専門家にご相談ください。

「第2次名義人」を設定するという対処法

ここまで聞いて「だったら子供を被保険者にするのは現実的ではないじゃん」と思ったかも知れません。しかし、実はこういった事態に陥ることを回避する方法があります。一部の保険会社や商品では「第2次名義人(Contingent Policy Owner)」を設定することができ、設定しておけ(第1次)名義人が死亡したとしても、裁判所に申し立てをすることも無く、所定の書類等を保険会社に提出することによって第2次名義人が新名義人になることができるのです(*3)

(*3) 保険会社や商品によって条件や手続き方法が異なります。

勿論、日本語対応している代理店のサポートがあるとは言え、英文の死亡診断書を用意する必要があったりと、ある程度のストレスは感じるとは思います、ただでさえ故人を偲んで悲しみに暮れている状況にあるわけですから。それでも香港や日本で弁護士も巻き込むことになるような事態になることと比べれば遥かに楽ですから、名義人と被保険者とが異なるようでしたら、第2次名義人の設定を積極的に検討されることをお勧めします。因みに、共同名義による申し込みが認められているようであれば、共同名義でもいいですね。

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