こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

IPO市場活況の中で

今年は香港のIPO(新規株式公開)市場が活況を呈していますが、そんな中、長年株式上場を目指していた香港の保険会社FWDグループ・ホールディングスが、今月7日ついに香港証券取引所(HKEX)に上場しました。

https://www.forbes.com/sites/catzxwang/2025/07/07/hong-kong-billionaire-richard-lis-insurer-fwd-debuts-in-long-awaited-ipo/

保険会社FWDグループを率いるのは香港を代表する実業家のリチャード・リー氏で、同氏は香港四大財閥の一つである長江実業グループ創設者兼会長の李嘉誠氏の長男として、そして巨大投資グループであるパシフィック・センチュリー・グループの会長としても有名です。リー氏はFWDの上場に際して「本日の上場は、当社の顧客、パートナー、そしてアジア全域のチームにとって重要な節目であり、香港が引き続き優れた上場先として確固たる地位を築いていることを浮き彫りにするものです」とのコメントを発表しました。

株価については、初日の取引を38.25香港ドル(4.87米ドル)で終え、IPO時に設定された1株当たり38香港ドル(34億7000万香港ドル)とほぼ横ばい。その後も比較的安定した値動きを見せています。

今年上半期だけでも…

FWDの上場は、市場環境の低迷により申請が却下されたり、規制当局の監視強化により取り下げられたりした過去の申請に続くものです。同社は5月に香港証券取引所への上場申請を行いましたが、これは2023年3月、2022年9月、2022年2月に続く4回目の試みで、2021年6月に米国証券取引委員会に登録届出書案を提出したことを含めれば、通算5回目の上場申請となり、今回の上場はまさに「悲願達成」と言ったところ。ロンドン証券取引所グループ(LSEG)が先日発表したデータによると、今年上半期には香港証券取引所メインボードで合計42社が135億米ドルを調達したとのことで、FWDもこの波に上手く乗れた形です。なお、香港の上半期IPOは8倍に増加し、香港証券取引所は資本調達で世界トップの座に返り咲いています。

香港がイギリスから中国に返還されて28年。先日7月1日前後には香港に関する記事を目にすることも多かったかも知れませんが、恐らくその多くは香港の先行きに対する不安を映したものであったのではないかと思います。確かにそういう見方もありますが、一方で投資センチメントは必ずしも悪いものではないということも事実です。

関連記事