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3月10日に米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻

3月10日に米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻したとの衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。青天の霹靂とでも言うのか、突如として湧いてきたこの騒動。現在は落ち着きを取り戻しつつありますが、株価も金利も大きく動き、マーケットに与えたインパクトは決して小さくありませんでした。

  • 過去10年余りで最大の米国銀行の破綻
  • 2022年末時点の総資産は2,090億米ドルで、預金規模は約1754億米ドル
  • 設立は1983年。テクノロジーのスタートアップ向け金融サービスに特化
  • 資産は大半を債券運用してきたが、昨年来の金利の急上昇で含み損が拡大
  • 顧客企業も経営不振に
  • 経営不安が取りざたされ、取り付けに近い状態に
  • カリフォルニア州金融保護当局が閉鎖を指示
  • 連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に

事件発生後にすかさずイエレン米財務長官と米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らが、同行への預金を全額保護するとの共同声明を出したということで預金者はホッと一安心といったところでしょうが、この件だけでなく、預金や投資をする人達は預入先や投資先の倒産/破綻リスクに常に晒されているわけで、倒産/破綻した場合に自分の資産が大きく毀損するか、場合によっては全額失ってしまう可能性だってあるわけです。

保険会社が倒産/破綻してしまったら…?

今のところSVBの件が香港の金融機関に与える影響は極めて限定的なようですが、今回の件に限らず、万が一香港の保険会社が倒産/破綻してしまったらどうなるのでしょう?以前にも当コラムでお話ししたのですが、香港には日本のような保護機構といったものは存在しません。だからこそ、お申し込み前でも契約後でも、保険会社の経営状態を常に気にしておくべきです。保険会社によってはHP上で財務情報を開示しているでしょうし、或いは格付けが付与されている会社であれば、格付け会社がレポートを発行しているので参考になるのでしょう。売上や総利益の他に、格付け、ソルベンシーマージン比率や格付け会社による見通し等に注目するのがいいですね。

とは言え、香港では近代以降に保険会社が倒産したことがなく、仮に経営の継続が困難な状況となったとしても、過去の例からすれば、他余力のある保険会社が現れ、買収などによって契約が引き継がれることが予想されるので、過度に心配する必要はないと言って差支えないでしょう。また、お客様の資産と保険会社の資産とは分別管理されているということも安心材料になりますね。 

香港にて保険会社が倒産することは考えにくく、皆さんが預けている資産の運用についても経営状況に影響を受けることは原則ありませんが、もちろん物事に「絶対」はありません。当社ではしっかりと適正な情報を収集し、お客さまが安心して中長期で資産運用をできるようサポートいたします。

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