こんにちは、Wells Insurance Hong Kongです。

以下の内容は、特定商品の販売や、購入への勧誘を意図したものではありません。日本非居住者に対し、国外における資産運用の一般的な情報を提供することのみを目的としています。

各保険会社が力を入れる貯蓄重視型商品

香港の保険会社が販売する保険商品の中でも、海外在住の日本人の間で特に人気が高いのが貯蓄性の高い商品。人気の理由は様々でしょうが、利回りに魅力を感じる人が多いことは間違いないでしょう。

ただ、一言で貯蓄重視型保険といっても、香港には生命保険会社が70社以上あり(*1)、しかも一つの保険会社が異なるタイプのいくつかの貯蓄型保険を販売しているなんてことも稀ではありません。

(*1) Insurance Authority – The Market (ia.org.hk)

従って、契約を検討している人には、数多くの商品の中からベストのものを選択するという難しい作業が発生するわけですが、判断材料の一つとしてよく用いられるのが、解約返戻金の推移が示されたシミュレーション。複数の保険会社から類似商品のシミュレーションを取り寄せて比較をするわけです。

勿論、商品を選定するに際しては、保険会社や取扱代理店の信頼性やサービスのクオリティ、商品の柔軟性といった点等も考慮されるべきですが、数字は比較し易いわけですから、利回りに目が行きがちなのは当然でしょう。

シミュレーション上の利回りが重要であることは確かだが…

ただ、そこで一つ注意すべきなのは、シミュレーション上の数字はあくまで予測に過ぎないということ。香港で流通する貯蓄重視型の場合、解約返戻金は保証と非保証の二つ(或いは三つ)のパートに分かれていることが多く、非保証はこれまでの運用実績をベースに算出された予測値です。

経過年数払込保険料($)解約金(保証)($)解約金(非保証)($)解約金(合計)($)
510,0008,0003008,300
1010,00010,0005,00015,000
1510,00011,0007,00018,000
2010,00012,00012,00024,000

商品設計がこのような感じで、更に解約金のうち非保証の部分が占める割合が大きい商品であればあるほど、非保証部分における運用実績は気になるところ。シミュレーション上で解約返戻金が高かったとしても、実績が伴っていなければ意味ありませんもんね。

例えば二つの保険会社(A社とB社)が以下のようなシミュレーションを発行するとします。

[ A社 ]

経過年数払込保険料($)解約金(保証)($)解約金(非保証)($)解約金(合計)($)
510,0008,0003008,300
1010,00010,0005,00015,000
1510,00011,0007,00018,000
2010,00012,00012,00024,000

[B社]

経過年数払込保険料解約金(保証)解約金(非保証)解約金(合計)
510,0008,0004508,450
1010,00010,0005,50015,500
1510,00011,0007,70018,700
2010,00012,00013,00025,000

シミュレーション上ではB社のほうが上です。ただ、もしA社が達成率100%を誇るのに対し、B社の達成率が低ければどうでしょう?

[A社;実績(達成率反映)]

経過年数払込保険料解約金(保証)解約金(非保証)解約金(合計)
510,0008,000300(100%)8,300
1010,00010,0005,000(100%)15,000
1510,00011,0007,000(100%)18,000
2010,00012,00012,000(100%)24,000

[B社;実績(達成率反映)]

経過年数払込保険料解約金(保証)解約金(非保証)解約金(合計)
510,0008,000405(90%)8,405
1010,00010,0004,675(85%)14,675
1510,00011,0006,545(85%)17,545
2010,00012,00011,700(90%)23,700

あらあら、達成率を反映させてみると、実際にはB社の返戻金の方が少ないことが分かりました。なお、これは実際のケースではなく、あくまで達成率を説明するための一例に過ぎませんのであしからず。

保険会社の運用実績を調べることは可能

因みに「実績なんて分かるの?」…。はい、分かります。当局(Insurance Authority)からの指示に従って、香港の保険会社は自社のホームページ上で非保証部分の達成率(Fulfillment Ratio)や、(利回りが開示されている商品では)利回りの推移を公表しているのです

達成率は一般に公開されているわけですから、商品選択の際に利回りを重視するようでしたら、是非ご注目ください。

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